コロコロチンチンが流行り始めてから、もう1年半以上経つんですね~~
「収まったら集まりましょう」
「落ち着いたら行きましょう」
「この時期なんでやめときましょう」
って言葉が街に氾濫して大洪水って状況ですが、時間というものは感染症を横目に流れてきまして、ついにこの国でオリンピックが開催されることになりました。
正直、開催するのはどないやねん、「アスリートの夢」とやらだけが優先されるのはどういう理論やねん、という気持ちでしたが、他方、自国でオリンピックが自分が死ぬまでの間にもう一度開催されるという保証はどこにも無いなと。
さらに言うと、「パンデミック下」でのオリンピックというのも、一生に一度の光景になるなと思いまして、今回見に行ってきました。
ちなみに、手洗いうがいとかはめちゃくちゃ気を使って行動しました。
別に人の数はそないに変わらん
コロコロしだして以来、駅前などでたむろする若者、時短営業無視して店内鬼詰めの居酒屋なんかが、たびたび報道されていますが、正直な感想として、東京も大阪(含めた関西)もそんなに人の数は変わらないなと感じました。
確かに、1回目の緊急事態宣言時のような、廃墟都市の様な様相とまではいかないけど、最後の訪問が2020年1月だった自分からすれば、びっくりするくらい人が少なかったです。
特に驚いたのが、電車の人の数。
例えば、山手線の西側各駅から乗ると、一番ピークから遠いはずの14時ごろや、関西圏なら電車が空いてくる21時以降とかでも、驚くほど人が乗っていた印象でしたが、簡単に座れてしまう乗車率に落ち着いていたのが印象的でした。
別に東京だけが諸悪の根源じゃないって話だよね、あたりまえだけど。
オリンピックに彩られた町
街のそこら中にTokyo2020の文字。
細字で縦長の文字に、鮮やかな赤色とその近似色でまとめた"コアグラフィック"のデザイン。
シンプルで品のあり、車のデザイン、フラッグ、競技場のアクセントなど...
この組み合わせは、大きいデザインから小さいデザインまでなんにでも似合い、本当に秀逸。
1964年の東京大会のために建設された代々木体育館も、例にもれず装飾されていました。
機能性と美しさを両立した名建築が、今大会でもしっかり活用されているのめちゃくちゃ胸アツですよね。
平凡でつまらないデザインで、今後の大会で活用できるかも怪しい某競技場と違い、これこそが、「オリンピックレガシー」だよな、と強く感じました。
また、これとは別に、三井の本拠地日本橋地区では、「オリンピックアゴラ」という取り組みが行われており、これがまた素晴らしかった。。。
この地区特有のグレー舗装の道路に面して、大型建築が立ち並ぶ光景は、もともと日本離れした美しいものなんですが、その大きなショーウィンドウに歴代のオリンピックロゴが展示され、ムードの高まりを感じるとともに、更に日本離れした雰囲気を醸してました。
最も美しかったのがこれ。
新古典主義の三井本館に掲げられた超でかいバナーとOLYMPIC AGORAの文字。
まるでヨーロッパ。そう言いたくなるほどの美しい景色ですよね。
三越日本橋との絡み。さすがに諸手を挙げてしまう世界最高街並みすぎる。
うわっ街の変化ありすぎ・・・!?
映画シンゴジラの中でも印象的なセリフとして出てきましたが、とにかく東京はスクラップ・アンド・ビルドが激しい街です。
オリンピック開催によってその勢いは、加速度的に加速しています。
先ほども書いた通り、最後の東京訪問が1年半前だった自分を、何度も浦島太郎状態に陥らせられるほどの変化具合でした。
渋谷。
宮下公園跡に出来たレイヤードパークから望む超高層ビル。
足元を見ると、もともとそこにいたであろう住居たちがとても肩身狭そうに立っているのが印象的に映りました。
駅反対側では、2ha規模の再開発が進行中。さらにこのほかにもガラス張りの超高層ビルが何本も建ちます。
渋谷は、谷底の、坂がちな地形の街ですが、その地形ごと変えてしまうのではないかという勢いで開発が進んでいます。
新宿。
新宿駅の西口といえば、この円形のロータリーと、小田急・京王の巨大なデパート群です。
これらとんでもなく巨大な土地をすべて壊し、建て替える計画が進んでいます。
逆光の見にくい写真で申し訳ないのですが、特徴的なコクーンタワー前の空き地に建っていたスバルビルも取り壊し済み。
左側、明治安田生命のビルが建っていたところも、取り壊しが進み、他の土地と合わせた再開発が進みます。
もちろん、新宿の再開発はこれらは一片にすぎません。
丸の内に建つ、東京海上日動のビル。
今やマンハッタンのようになった丸の内地区の、高層建築の先駆けとなった非常に歴史的に存在意義のあるこのビルも、隣のビルとの再開発が決まりました。
10年程前までの東京の再開発といえば、戦前や戦後すぐのビルを取り壊して、物議をかもすことが多かったのだけど、今や、戦後30年以上経ってから作られた超高層建築すらも取り壊してしまう流れになっています。
このビルだけに限らず、158mの高さを誇った、浜松町の世界貿易センタービルも、同じく解体が決まっています。
八重洲。
丸の内側と対比して、雑多な印象のあったこの町も、今や再開発の時代。
右側に建つ右側のネオン看板のビルと、細長いビルを残した、『 の形をした土地に250mの高さのビルが建ちます。
正面のビルは、恐らく再開発の土地買収交渉に同意しなかった地権者の者と思われ、入居しているテナントと勝利宣言ともとれる、ビル裏側の垂れ幕を見て、思わず「役満ビル」と呼んでしまいました。
"当ビルは再開発から完全に除外されました"
八重洲から少し神田側に進んだ、常盤橋地区。
「日本ビルディング」という、とんでもなく大きいビルが建っているのだけど、このビルだけではなく、周辺の土地も併せて再開発が行われます。
手前に建っている黒いビルは、超広角レンズで縦構図で撮っても入りきらないほどの高いビルなのだけど、完成予想図には、まるで噛ませ犬のごとく、小さく描かれています。
ここには日本で一番高いビル、東京トーチが建設される。
このビル、今まで四角く幅が大きい、箱型のビルばかり建ててきた三菱地所としては異例の、曲線を多用した有機的なデザインをしており、社運を賭けた一大プロジェクトであることが伝わってきます。
さらにこの他にも歴史ある帝国ホテルのある千代田区内幸町など、都内無数の個所で超巨大なビルの建築が次々進んでいて、再開発やビル好きの自分でも、把握しきれないし、調べるのが面倒になるくらい。
一つ一つのプロジェクト、どれを取っても、「都市の一大プロジェクト」として扱われていてよいレベル感のものばかりです。
それがそれぞれの地区で、競い合うように行われている。。。
各企業がそれだけ投資を行うには、それなりに需要があると見込まれているからだし、それらのビル建設で供給された床を埋めるだけのオフィス・施設・人間が、東京に集まるということ。
これが人口増の時代の話なら良いけど、今の時代には・・・
一応この町に次いで国で二番目の都市とされている大阪でさえも、全く追いつけないような現状を見て、何とも言えない気持ちになりました。
やっぱ東京って楽しい!!!!!!
都会好きで都会人の身からすると、都会を極めた東京という地は、歩くだけで楽しい。
全体的に、自粛とは言いつつ、漂っているお祭りムードの片りんも感じることができて楽しかった。
回りたいところ全部回るぞと意気込んで出発したものの、結局半分も回れませんでした。
"旅先は逃げない"と言いつつ、この瞬間の景色は、リアルタイムで見たものにしか味わえません。
感染症を正しく恐れつつ、したいことはしたい時にした方がいいのでは?そう思える旅でした。
おわり