今橋ビルヂング(1925)
すがすがしく晴れた10月29日。初日のスタートはこのビルからです。
小さく、かわいらしいサイズに見えるのは周囲を日本生命や三井住友銀行と言った一流企業のオフィスに囲まれているから、というだけではなく、実際に小さいのです。
この大きさのビルが消防車を収容する消防署だったのが驚き。今はイタリアンレストランとして営業しています。
普通に考えれば、用途転用時に周囲の開発に飲み込まれて解体されてるでしょう。
これからも街のアクセントとして末永く残ってほしいですね。
司令室だった2階は客席に。柔らかい光が差し込みます。
隊員たちが忙しく行き来していたであろうロフト・階段空間から昼営業に向けて仕込みをしている店員方の姿が見えます。
この日もレストランは通常営業。その横をお借りしてこの建築をまじまじと見学できる。これがイケフェスの特別公開の凄いところです。
三井住友銀行大阪本店ビル(1926)
正直、かっこいい!!!!!!諸手を挙げて以上!!!!って感じなんですが、それじゃ終わってしまうのでなんでこんな好きなのかを分解してみます。
まずはどっしりとしたその佇まい。
黄土色の外観がグレーに染まったビジネス街に映える。
続いてその名前。
三井住友銀行大阪本店←これが良い!!
建設当時は大阪の会社だった住友。その本店と言うことで気合の入れようは相当だったよう。
このビル設計のために社内に部署が作られ、それは今日本有数の設計事務所となった日建設計に続きます。
内部の写真は、エントランス部分の天井のみ撮影が許されたため、一番苦手な文章で伝えることしかできないのですが、
あの、圧倒の一言....
高いホール形状の内装、装飾の数々...
手元に写真を残せなかったので、もしかするとこの記憶は夢なのかもしれない、そう思わされるようなとてつもない内装でした。
ルポンドシエル<旧大林組本店>(1926)
大川のほとり。周囲を高層ビルに囲まれながら踏ん張っている姿がかわいらしいですね。
最初からそうだったようなLE PONT DE CIELの文字とその下の三連アーチも誇らしげです。
長年大林組の拠点として使用されてきたことから、フロアの大半は現代基準に改装されていますが、階段、EVなどの共用部はご覧の通り。
真ん中より少し内側が削れた階段が、忙しくビジネスマンが行きかっていた頃を伝えています。
大林組の資料館は閉鎖、ルポンドシエルも淀屋橋に移転し、閉館状態のこのビルの去就は明らかになっていません。
このまま解体されるわけではない...といった情報が流れていましたが、いつまでも北浜のアイコニックな建物として残り続けてほしいです。
次は、少し下がって船場編になります。