藍色備忘録

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生きた建築フェスティバル2022ー堂島

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大阪弁護士会館(2006)


イケフェスには誰でも建物内に入れる特別公開と、抽選制のガイドツアーがありますが、今回当選した唯一のツアーがこの弁護士会館です。

遠目からでも目立つ格子状のデザインが結構いかつくて、旧字体の辯護士の文字もそれを引き立ててます。

しかし一歩エントランスに足を踏み入れると、設計コンセプトの「市民に開かれた弁護士会館」が体現された、透過度の高いガラスの壁から光が差し込む、明るく軽い空間になります。

ガラスの四隅を留めてサッシレスになっているところも、透明感を高めています。DPG工法と言うそうです。ちなみにこのツアーには日建設計の設計担当者の方が案内してくださっていました。

最上階、最も広い会議室に上げてもらいました。ガラス面積を床より下、天井より上まで配することで、浮いているような不思議な感覚になります。

眺めるのは中央公会堂をはじめとする大阪の中でも特に景色の美しいところ。

一度はこんなところで会議してみたいものですね。

 

その上には職員ですら普段立ち入れないという屋上フロアがあります。

クリアに景色が見えるとともに、特徴的な格子形状の外壁も見学できます。

瀬戸焼で作られたこの外壁は一つとして同じものはなく、また時が経つとともに優しい色に変わっていくようになっているそうです。

 

自分でも知っている有名建築をいくつも設計している事務所の方の説明を生に受けながら建築をじっくりと眺める。とても贅沢な時間でした。

 

堂島ビル(1923)

 

かつては東京、丸の内ビルヂングと対に語られるような存在だったそうです。

阪神淡路大震災後に改修されガラス張りとなっているため一見するとそれほど古いビルには見えませんが、エレベーターホールや基壇部のデザインに面影があります。

また、全盛期は各階に設置されていたらしい金庫は目盛がカタカナでこちらも時代を感じます。

 

中を案内してくださったビルの管理の方々がとても親切だったのが印象的でした。

ダメ元で「外壁を修復する予定はないんでしょうか...?」と聞いてみましたが、答えはNOでした。そりゃそうですよねぇ....

 

中之島三井ビル

川岸ギリギリに高層ビルが立ち並ぶこの景色は国内だとここだけじゃないですか?人によってはシカゴのようだと。大好きな景色ですが、その中でも特に好きなのはこの三井ビル。

設計は高層ビルの父と言っても良い故・シーザーペリです。金属とガラス、スマートな曲線。

目立ったランドマークをドンと立てるというより、立ち並ぶビル群を美しく整えるデザインをしてくれる人という印象があります。

普遍的なデザインは築後20年という時間を感じさせません。これからもずっとそこにいてほしい大好きなビルです。