駅舎と駅はセットであるもの。
鳴門線の小駅にレンガ造り3階建てで一流のホテル付きの駅舎はオーバースペックだし、
逆に世界有数の国家の首都の中心駅の駅舎が、ホーム直結で1両分しか屋根しかなくてもダメなのだ。
だけど歴史や運命の悪戯のせいでその場にそぐわない駅舎を与えられる駅もある。
人(私)はそのギャップに何故か惹かれるのだ。
終点の琴平駅から4つ目の駅。
要は田舎か都会かと言えば田舎。
レトロなサインがまだ残るホームとは対照的に欧州を思わせる重厚な上屋。
観光バス4台は乗り入れられるであろう広いロータリーと乗用車10台は停められる駐車場。
朽ちたタクシー乗り場まである。
ちなみにこの駅の平均乗降客数は
505人/日(2014年調べ Wikipediaより)
である。
ここまで大掛かりな客待ち施設は何故、なんのためにあるのだろう。
答えはホームの壁面にあった。
NEWレオマワールド
岡田駅から2kmほどのところにある遊園地である。
ちなみに計画は1987年、開業は1991年である。
そう、完全にバブルの置き土産なのだ。
Wikipediaを斜め読みするだけでもその遊園地の計画がいかにむちゃだったかわかる。
すでに二度再開園していると書けばそのヤバさが伝わるかもしれない。
ちなみに元開発会社曰く建設の動機は「瀬戸大橋開通後の四国への観光客増加に期待し」(1987年 Wikipediaより)だそうだ。
こんなとこまで来るわけねーだろ!とツッコミを入れたくなった。
無駄に広いホームからの通路も、自動改札機5台はおけるであろう改札も、閉められた窓口も、全部その夢の跡。
レオマワールドまで運行されていたバスも今では休止状態。広い構内とロータリーを完全に持て余している
駅の入り口にはキラキラとしたポスターが貼ってあった。
とりあえずなんでもやってみようという意気込みが伝わってきた。
人口減少の時代において、とりわけ四国には消滅可能都市も多いと聞く。
こういう地方の遊園地はどうやって生き残っていくんだろうか。
そしてその遊園地のために作られたこの駅はその遊園地とともに朽ちてゆくしか道はないのだろうか...